2010年8月31日火曜日

動物虐待の動画は、犯人の特定につながる

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大抵の先進国では、動物虐待は違法行為だ。その撮影動画を残す事は、犯罪の証拠を残す愚行な分けだが、何故か右のような行為を行う動物虐待のビデオは存在する。

これを野放ししておいて良いのか?

米国では1999年に動物虐待の動画を撮影・保持・流通することが禁止する法律が制定されていたのだが、2010年4月に最高裁が言論の自由に反すると違憲判決を下したため、2010年7月に下院が修正法案を提出・可決し、上院の議決待ちという状態になっている(AFP)。しかし、下院では圧倒的多数で可決されたが、何でも規制すれば良いとは言えない。

1. 子犬を川に投げる少女

確かに、愚かな行動を取る人物はいる。

例えば、ここ24時間ぐらいの間に、フードの少女が子犬を川に放り込んでいる動画が問題になっている(キャプチャー画像は下)。見たところ歩くのもままならない子犬たちのようだから、これは溺れて死んだはずで、ひどい行為なのは間違いない。これは立件されてもおかしくないし、撮影者も共同不法行為で同罪ではないかと思われる。

2. 実行者と撮影者は、今のところは不明

しかし今のところ、実行者と撮影者の身元は突き止められていないようだ(Short News Flash)。

違法行為者の顔などの識別情報が分からず、P2Pネットワークのような匿名性が高い手法で流通した場合は、動物虐待に対してペナルティーを与える事が不可能になってしまう。

3. 動物虐待動画の保持者に罰を与えるべき?

動物虐待動画を保有している人物にペナルティーを与えれば、愉快犯や模倣犯による犯行が減る可能性はある。自慢の動画を見てもらえないからだ。上の動画も愉快犯なら、子犬を川に投げ捨てたりはしなかったかも知れない。

しかし、以下の二つの意味で問題があるように感じる。

1. 動物虐待動画の動画は、犯罪行為の証拠物
虐待行為を立件するのに、動画ほど分かりやすい証拠は無い。動画の保持や流通を禁じたら、虐待者の行動が世間に露呈しなくなるかも知れない。
2006年に話題になった動画でハイヒールの中国人の女が子猫を踏み潰して殺すものもあったが、動画を元に女は特定され、謝罪を表明している(CHINAdaily)。
2008年にもゴミ箱に猫が捨てられるという事件があったが、偶然、監視カメラに写っていた犯人の動画がインターネットに公開され、犯人が特定され謝罪することなった(New York Times)。
2. 言論の自由の抑制
違法行為を糾弾しようと動物虐待の証拠動画を集めると、それが違法行為になってしまう。
また、ひどい行為を行う人物がいると、世間に問いかける報道が一切できなくなる。
2. 冤罪が発生しうる
誰かがこっそり、嫌っている人物のPCに動物虐待の動画を潜ませたら?
失脚させる目的で上司のPCに児童ポルノを仕込んだ男が逮捕される事件があったことは記憶に新しい(ars)。
児童ポルノ画像を勝手に保存するTROJ_MELLPON.Aというコンピュータ・ウイルスも話題になっていた(TRENDMicro) 。

4. 動物虐待は現代人のモラルに反するが、その動画の保持は認められるべき

川に子犬を投げる少女の動画の場合は顔も写っているので、テレビにでも取り上げられたら近隣住人の通報などですぐに逮捕されそうな気はかなりする。恐らくこのケースでも、この動画は証拠物として機能するであろう。既に場所はクロアチアではないかと、特定されつつあるようだ(Kahana News)。

しかし、動物虐待動画の保有が禁止されると、こういう倫理的に問題な行為の存在を認知できなくなったり、逆に誰かを貶めるのに使われたりするので、デメリットが大きい。つまり、動物虐待動画の保有は、良いことではないが、認められるべきだ。

なお、日本でも『動物の愛護及び管理に関する法律』があり、動物言えども虐殺すれば、懲役1年未満、または100万円以下の罰金が規定されている。中国の女は勤務先を解雇されたようだが、同様に社会的にも大きな制裁を受ける可能性もある。くれぐれも動物虐待をして、自ら証拠を残す行為は慎んだ方が良いであろう。

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